画像生成AIとは?著作権侵害に関する解説やおすすめツール7選

画像生成AI

現在、AIを利用して画像を生成できる「画像生成AI」と呼ばれるものが活用されるようになっています。今までは、必要な画像を撮影したりダウンロードしてくる必要がありましたが、今ではAIに生成してもらえるようになっているのです。

いくつものサービスが公開されていて、それぞれに特徴があるなど、利便性は高まっています。ただ、それと同時に、著作権侵害が発生するなど、使い方に注意が必要な状況です。この記事では、画像生成AIとは何かから、著作権侵害への注意点、具体的なサービスや利用事例を解説します。

注目の画像生成AIとは

注目の画像生成AIとは

画像生成AIは注目されているサービスではありますが、具体的なサービス内容がイメージできていない人も多いでしょう。最初に、どのような機能を持つAIサービスであるのかを説明します。

画像生成AIの概要

画像生成AIとは、利用者の入力内容を理解して、自動的に画像を生成できるAI全般を指します。いくつかのパターンがありますが、何かしらのインプットがあり、それを踏まえて画像を生成することが特徴です。基本的には、利用者がイメージする画像についてテキストを入力しますが、画像を提供して似たものを生成できるものもあります。

テキストをインプットにする場合、どのような画像を生成してほしいかを単語にします。例えば「アニメ調の人物」「木々のイラスト」「就活中の日本人男性」などです。英語のサービスが多いため、これらを英単語にして、画像生成AIへのインプットとします。

このようなインプットで画像を生成できる理由は、画像生成AIが大量の画像データを学習しているからです。事前に画像の種類やそれに関連するキーワードをディープラーニングで理解させているため、その結果を使用してAIが画像を生成してくれます。つまり、今までに学習したデータに含まれる要素を、新しく生成する画像やイラスト、写真や絵などに反映するのです。

画像生成AIが普及した理由

画像生成AIが、爆発的に人気を集めている背景には、以下のような理由が考えられます。

  • 簡単に利用できる
  • 無料や低価格のサービスが多い
  • 画像の生成に時間を要さない

まず、大半の画像生成AIは、簡単に利用できるように考えられています。直感的なユーザーインターフェースで操作できるようになっていて、誰でも画像を生成できるのです。一部のツールは、利用前に準備が必要ですが、それを踏まえても簡単に利用できるものが数多くあります。

次に、画像生成AIは無料で使用できるものが中心です。コストがかかるツールは、なかなか普及しないことが多いですが、画像生成AIの大半は無料で利用できます。このようなハードルの低さから「画像生成AIを使ってみたい」と考える人が増え、爆発的な人気を集めたのです。

他にも、画像の生成に時間を要さないことが、人気の背景にはあるでしょう。例えば、人気の画像生成AIであるMidjourneyは、画像生成を依頼してから10分程度で画像が表示されます。高画質な写真や絵でも短時間で画像を生成できるため、時間効率の高さが魅力的なのです。

また、ビジネス利用にあたっては、画像を探し出す時間を短縮できます。フリー素材から、画像を探すには時間を要しますが、画像生成AIを利用すれば探し出す必要がありません。このようなビジネス利用でも、人気が高まっています。

Midjourneyなどのサービスでブームが生み出される

Midjourneyなどのサービスでブームが生み出される

画像生成AIのブームは、Midjourneyなどのサービスがリリースされたことにあります。世界中で利用されている画像生成AIで、この名前を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。

こちらのサービスは、画像生成AIの元祖というわけではありません。こちらのツール以前にも、画像生成AIは利用されていました。ただ、利便性の高さからMidjourneyが利用される機会が増え、これが爆発的なヒットにつながったのです。

また、純粋に自分の想像力が満たされるため、これもブームの理由であると考えられます。特にMidjourneyをはじめとした、主要な画像生成AIは、非常にリアリティのある画像を生成可能です。これにより、イラストを描けなかったり写真を撮れなかったりする人でも、簡単に創造欲を満たせるためブームが起きました。

ツールで画像を生成する場合は著作権侵害に注意

ツールで画像を生成する場合は著作権侵害に注意

Midjourneyなど、画像生成AIはいくつものサービスが生み出され、利用しやすい環境が整っています。ただ、このような状況が生み出されるのと同時に、「著作権侵害」という新しい問題が生じている状況です。これから画像生成AIを利用したいと考えているならば、この著作権について特に意識しておくべきでしょう。

画像生成AIは、大量の画像を学習してから、新しい画像を生成しています。この学習に利用された画像には、著作権が認められているものが多く、それを踏まえることには著作権上の問題が生じるのです。どうしても、似たような構造や見た目の画像を生成してしまうため、誰かの著作権を侵害することになりかねません。

もちろん、画像を生成した本人が、著作権を侵害しているとは気づけないでしょう。これは、画像生成AIがどのような画像を学習しているか分からないからです。しかし、学習したものと似た画像を生成してしまうと、著作権の侵害で訴えられるなどのリスクが生じます。

話題の画像生成AIサービスおすすめ7選

話題となっている画像生成AIサービスはいくつもあります。今回は、それらのサービスの中から、特に話題を集めていておすすめしたいものをピックアップして7選で解説します。

Midjourney

Midjourney

Midjourneyは、2022年7月に公開が開始された、テキストから画像を生成するAIサービスです。ユーザーは自由に文章を入力可能で、その内容を理解した画像を生成してくれます。いくつかの決まり文句があり、それらを活用することで、意図した画像を生成できる仕組みです。

コミュニケーションアプリである、Discordを活用して画像生成が可能で、13歳以上ならば誰でも利用できます。無料で利用できる画像生成AIであるため、料金を意識する必要もありません。また、無料でありながら、10分程度で意図した画像を生成してくれることも魅力です。

また、画像生成AIサービスの中でも、画像分析を得意としています。そのため、既存の画像の解像度を高めたり、提供した画像と似た画像を生成することも可能です。豊富な機能は、Midjourneyを利用するからこそのメリットだと考えましょう。

Stable Diffusion

Stable Diffusion

Stable Diffusionも、指定された文言を踏まえた画像を生成するAIサービスです。生成してほしい画像についての情報を、英単語でStable Diffusionに伝えることによって、適切な画像を生成してくれます。

画像の生成にあたっては、英単語で適切な指示を出せるかどうかが重要です。画像生成AIは、入力内容を踏まえて画像を生成するため、単語に誤りがあると結果が異なってしまいます。日本語と同様に、英語にも「ニュアンスの異なる言葉」が存在するため、英単語選びは慎重におこないましょう。

なお、Stable Diffusionには画像生成時のオプションが用意されています。しかし、このオプションよりも、入力された英単語の方が優先されるようです。そのため、適切な英単語を入力する力が何よりも求められます。

公式HP;https://ja.stability.ai/stable-diffusion

DALL・E2

DALL・E2

DALL・E2はChatGPTなどを提供する、OpenAIが開発する画像生成AIです。対話型AIが注目されていますが、画像生成AIも注目されていると理解しましょう。

ChatGPTの性能からも分かるとおり、DALL・E2も文章を正しく理解することが可能です。そのため、適切な指示を出すと、写真からイラスト、アニメ調の画像など、幅広く出力してもらえます。

また、簡単な対話も可能となっていて、生成した画像の部分的な修正が可能です。この点もChatGPTのように、言語を適切に理解してくれるため、他の画像生成AIと比較して正確性が高い点が魅力といえます。

Bing Image Creator

Bing Image Creator

Microsoftが、自社のWebブラウザである「Microsoft Edge」に搭載した画像生成AIです。ブラウザを利用している人ならば、簡単に画像生成AIを利用できるようになっています。

ユーザインターフェースがWebブラウザになっていて、基本的な部分はDALL・E2と同様です。OpenAIが開発した人工知能を利用しているため、似たような性能であると理解しましょう。

公式HP:https://www.bing.com/create

Visual ChatGPT

Visual ChatGPT

Visual ChatGPTは、ChatGPTとVisual Foundation Modelsを組み合わせて画像を生成するサービスです。チャットに画像を表示できるようになっていて、依頼事項を適切に読み取ってくれます。

他の画像生成AIと比較すると、複雑な画像生成に対応していることが特徴です。画像生成AIには多くのモデルがあり、それぞれに特徴があります。Visual ChatGPTは、これらの良い点をピックアップしたような性能になっているのです。

公式HP:https://stablediffusionweb.com/Visual-ChatGPT

Canva

Canva

Canvaは、画像はもちろん、イラストや3Dアートなど、幅広いデザインの生成に対応した画像生成AIです。ツールによっては、用途が定められていますが、Canvaならば複数の用途に利用できます。別のツールを利用しなくとも、これだけで完結できることが魅力です。

また、画像編集の機能が充実していて、生成した画像をカスタマイズできます。AIに会話形式で指示するだけではなく、直接、キャンパスを編集できるようになっているのです。画像生成から編集まで、一気に済ませられる点が他の画像生成AIとの違いと考えましょう。

公式HP:https://www.canva.com/ja_jp/

Adobe Firefly

Adobe Firefly

Adobe Fireflyは、デザイン関連のソフトウェアを中心に開発するAdobeのツールです。画像生成AIの中でも、開発元がデザイン系のITベンダーであるため、安心感があります。より、デザイナーが求めているものを生成してくれるのです。

ただ、現時点ではベータ版であり、自由に利用することができません。登録して許可が下りれば利用できるようになります。現在は単体のサービスですが、今後はAdobeの製品に組み込まれていくでしょう。

なお、Adobe Fireflyが学習に利用している画像は、著作権フリーのものです。そのため、Adobe Fireflyで生成した画像は、著作権侵害の心配がないというメリットがあります。

公式HP:https://www.adobe.com/jp/sensei/generative-ai/firefly.html

最近の画像生成AIの活用事例

最近の画像生成AIの活用事例

説明したとおり最近の画像生成AIは、いくつもの用途に活用されています。具体的に、どのような用途で活用されているのか、事例を3種類紹介します。

Webデザイン

画像生成AIは、Webデザインの分野で幅広く利用されています。Webサイトの骨子を作成したり、全体像のラフを制作するために利用されるのです。何もない状態から、人間が考え出すには負担がかかりますが、画像生成AIを活用すれば負担は軽減されます。

また、全体像だけではなく、Webサイトに配置するバナーなどの作成も可能です。バナーを作成するためには、内容の検討から素材の収集まで幅広く対応しなければなりません。これらの作業は、画像生成AIに任せることで、すべて自動化できてしまうのです。

ただ、画像生成AIは完璧ではなく、意図したものが生成されるとは限りません。現在は、Webデザイナーのサポート的な役割であり、画像生成AIだけで業務をこなすことは難しくなっています。

ゲーム開発

ゲーム業界でも、画像生成AIが利用されています。背景画像やテクスチャなど、リアリティのある画像を、画像生成AIで生み出すのです。また、簡単なイラストであれば、画像生成AIで素材を作成してしまうこともあります。人間の作業負荷を、大きく軽減してくれるツールとなのです。

画像生成AIを活用することで、デザイナーは重要な部分に注力できます。例えば、上記のようにテクスチャの作成を画像生成AIに任せれば、デザイナーはゲームキャラクターのデザインに注力可能です。人間がやらなければならない作業を、優先的に処理できるようになります。

とはいえ、学習している情報が少ないことから、ゲーム分野で画像生成AIが利用できる場面は一部です。これからのディープラーニングによって、ゲーム分野への応用も広がるでしょう。

インテリアデザイン

インテリアの分野にも、画像生成AIが活用されています。事前に、インテリアに関する画像を学習しておき、それを踏まえて新しい画像を生成するのです。インテリア分野に特化した、新しい画像生成AIも登場しています。

また、インテリアの分野で利用されている画像生成AIは、インプットに画像が利用できるものも増えている状況です。例えば、マンションの一室を写真撮影して、画像生成AIにアップロードします。すると、適したインテリアを合成して、新しい画像を生み出してくれるのです。

一般的に、画像生成AIは、テキストをインポートとして扱っています。しかし、インテリアの世界のように、画像をインポートできるものもあるのです。画像生成AIの種類として、このようなものも認識しておくと良いでしょう。

画像生成AIはこれからの進化に注目

画像生成AIは、注目されている技術であると解説しました。実際に利用してる人は多く、これからもさらに増加していくでしょう。今からでも利用したいと考える人がいるはずです。

ただ、画像生成AIには、まだまだ問題点があります。例えば、著作権の侵害が起きないように、学習の方法を工夫しなければなりません。現在でも、画像生成AIのビジネス利用が広がっていますが、権利面で大きな問題が起きる可能性があります。

他にも、画像生成AIを利用しても、意図したとおりの画像が生成されるとは限りません。技術的な限界があるため、根本的に改善されなければ、使いづらい部分があるのです。公開されているサービスは、優秀なものが多い状況ではありますが、これからの進化にも注目が必要です。

まとめ

画像生成AIについて解説しました。キーワードから画像を生成してくれるサービスで、世界的に利用が広がっています。簡単に無料で利用できることから、日本はもちろん、需要が爆発的に高まっているのです。

ただ、ディープラーニングを利用した技術であることから、著作権侵害が発生する可能性があります。画像生成AIで生成した画像が、著作権の認められている画像に酷似するかもしれないのです。この点は、画像生成AIを利用するにあたっての大きな課題といえます。

しかし、この点を理解していれば、画像生成AIにはおすすめのツールがいくつもあります。業務効率化などにも役立つため、リスクや注意点を理解して、利用するようにしてみましょう。