【Notion】ガントチャートの作り方。プロジェクト管理に最適!
NotionにはTimeline(タイムライン)ビューと呼ばれる機能があり、これを活用することで簡単にガントチャートを作成できます。ガントチャートはプロジェクトのタスクなどを管理するのに有用であるため、積極的に活用すべき機能です。
ただ、非常に便利なツールではありますが、Notionでガントチャートの作り方が理解できていない人は多いようです。使いこなせなければもったいない機能であるため、今回はNotionでガントチャートを作る流れや活用方法などについて解説します。
目次
NotionのTimeline(タイムライン)ビューでガントチャートが作れる
引用:タイムラインビューでチームのために生産性の高い計画を立てる
Notionはオールインワンツールとして人気が高い製品で、プロジェクト内の情報共有やタスク管理などに活用されています。幅広い機能を有したツールであるため、すでに利用している人も多いのではないでしょうか。
このNotionには多くの機能がありますが、その中にTimeline(タイムライン)ビューと呼ばれるものがあります。これはいわゆる「ガントチャート」を作るためのもので、プロジェクトのタスクやスケジュールなどを一元管理できるものです。NotionではTimelineビューと呼ばれているため、名称の違いには注意しておきましょう。
もちろん、NotionはTimelineを活用するだけのツールではなく、情報を管理するメモ・ドキュメント、タスク管理ツール、プロジェクト管理など幅広いツールです。具体的にどのような機能と組み合わせて、Notionでガントチャートを運用すれば良いのか続いては解説します。
Notionで個人のノートからプロジェクト管理まで
NotionはTimelineビューでガントチャートを作れますが、実際には大規模なプロジェクトだけではなく、個人のノートからプロジェクト管理まで対応できます。例えば、Notionでできることを挙げてみると以下のとおりです。
- ノートとしてメモを取る
- ドキュメントを作成して管理や公開する
- プロジェクトを管理する
- 社内などの各種Wikiを作る
- ヘルプツールなどの社内サイトを構築する
- ホームページを作成する
- 個人のポートフォリオを公開する
これらは一例ではありますが、Notionを利用することで幅広い作業を効率化できます。これに説明しているTimelineビューを追加すると、さらに効率よく幅広い作業に対応できるようになるのです。他のツールではなく、Notionでガントチャートを作成することで情報の管理も一元化できます。
Notionでプロジェクト管理する流れ
Notionを利用するとガントチャートが必要になるようなプロジェクトを管理できるようになります。個人で対応するような小規模なプロジェクトから大人数で対応する大規模なプロジェクトまでNotionだけで対応可能です。このようなプロジェクトをNotionで管理する流れは大きく以下のとおりです。
- Notionのデータベースを作成する
- 必要なタスクを登録する
- タスクの担当者や期限を設定する
- 日々、タスクの棚卸しをして状況を把握する
- 遅延などがあれば原因の掘り下げなど対処する
- タスクの分割や依存関係など必要に応じてタスクを編集する
- 終了したタスクはクローズする
- 3~7を必要に応じて実施、繰り返す
大まかにNotionでプロジェクト管理する流れを説明するとこのとおりです。特別な手法が利用されているのではなく、Notionを利用する場合でも一般的なプロジェクト管理の流れを実現できます。今まではExcelなどで管理していたかもしれませんが、Notionに集約することで効率化が期待できると考えましょう。
NotionのTimelineビューを活用すれば、上記の2~6の作業をガントチャートで視覚的に把握できます。タスクの状況は文字だけでは把握しづらいため、Notionでガントチャートを表示して直感的に把握できるようにしましょう。プロジェクト管理に時間を割きすぎることは望ましくないため、ガントチャートで表示して管理すべきです。
Notionでのガントチャートの作り方
続いては実際にNotionでガントチャートを作るためにTimelineビューをどのように操作すればよいのか、ガントチャートの作り方について解説します。
ガントチャートに含めるタスクの洗い出し
まずは事前準備としてNotionのガントチャートに含めるタスクの洗い出しをしておきましょう。タスクが洗い出せていない状態で以下で説明するTimelineビューを設定しても、中途半端なガントチャートが完成してしまいます。まずは管理対象となるプロジェクトにどのようなタスクが含まれているのか洗い出すべきです。
ただ、すべてのタスクを洗い出してからNotionのガントチャートを作り出すことは時間の無駄使いであることも事実です。完璧なタスクの洗い出しは難しいため、ある程度で見切ってガントチャートを作成するようにしましょう。Notionでガントチャートを表示することで、どのようなタスクが不足しているか明確になるかもしれません。
なお、タスクを洗い出す際はTimelineビューでの設定値を踏まえて以下も明確にしておくことがおすすめです。
- 担当者
- 開始日や終了日
- 他タスクとの依存関係
- マイルストーン
- ステアリングコミッティなどの日程
これらの情報が明確になっていれば、ガントチャートの内容をより濃いものにできるはずです。Timelineビューの設定よりもタスクの洗い出しに時間を要するため、ガントチャートを作成する際はそこを意識しておきましょう。
新規ページの作成
Notionの任意の画面から「ページを追加」のリンクをクリックします。
新しいページを作成するための画面が表示されるため、この画面でページのタイトルを入力します。今回のタイトルは「ガントチャートの例」としました。分かりやすい任意のタイトルを入力してください。また、データベースの種類を選択できるため今回は「タイムライン」を選択します。
設定したタイトルでNotionのページが作成されれば問題なくガントチャートの基礎が作れています。
タスクの登録
データソースがすでに登録されている場合は該当するタスクが表示される可能性があります。今回は表示される場合も含め、追加でガントチャートに表示するタスクを登録する方法を解説すると以下のとおりです。
まず、表示された画面から「新規」をクリックしてください。以下のとおり画面の右側からタスクを登録するためのポップアップが表示されます。
この画面が表示された状態で、タスクに必要な以下の情報を入力しましょう。
- タスクのタイトル
- ステータス
- 日付
- コメント
具体的には以下のようなイメージになります。
タスクの入力が完了すれば、以下のとおりガントチャートとして表示されるようになります。
タスクの登録は上記の方法のみならず、ガントチャートを直接操作する方法もあります。以下のとおりガントチャートをタスクの期間分だけドラッグすると、その期間のタスクを作成できます。
ただ、この状態では無題のタスクが登録されるだけです。そのため、こちらのタスクをクリックして詳細を表示しなければなりません。
上記とは異なり、最初からタスクの日付が入った状態で登録されています。それ以外の項目は入力されていないため、上記で登録したタスクを参考に必要な情報を登録するようにしてください。
プロパティの設定
基本的には上記のとおりタスクを登録するだけでガントチャートに表示され、プロジェクト管理ができるようになります。Timelineビューを利用したガントチャートの作り方としては非常にシンプルなものです。
ただ、上記の状態ではタスクの内容が不足していて、プロジェクト管理に支障が出るケースが大半でしょう。そのため、プロジェクト管理に適したタスクの記載に修正することが求められます。このような修正を「プロパティの設定」と呼びます。
プロパティを設定するためには、まずいずれかのタスクを選択します。今回は「タスクの例」をクリックします。この画面に「プロパティを追加する」のボタンがあるため、これをクリックすると以下の画面が表示されます。
表示内容からも把握できるようにさまざまな種類のプロパティを設定可能です。これらを駆使することで、タスクを自分たちに適したものにカスタマイズして、より管理しやすくしていきます。
例えば、「ステータス」をクリックすると以下の画面が表示されます。
このようにタスクに設定するステータスが表示されます。デフォルトでステータスの内容が設定されていますが、これらのステータスでは不足したり用語が異なっていたりするでしょう。それぞれのステータスやプロパティのタイトルを修正可能です。今回はプロパティのタイトルを「ステータスの例」としました。
このように設定するとタスクにステータスに関する項目が表示されます。以下のとおりステータスを選択できるようになるため、プロジェクト管理におけるタスクの状況に合わせてステータスを設定するようにしましょう。
なお、今回はステータスについて解説しましたが、それ以外のプロパティも同様に設定可能です。選択式のプロパティや日付形式のプロパティ、また必須入力のプロパティなども設定できるため、適切なものを設定しましょう。どのようなプロパティを設定するかで、NotionのTimelineビューでガントチャートを作成する効果が変化してきます。
ガントチャートへの表示設定
上位のとおりタスクにはプロパティを追加しましたが、現時点ではガントチャートに登録した詳細は表示されていません。タスクに登録した内容はガントチャートへ表示できたほうが良いものが含まれるため、これらを表示できるように設定を変更しましょう。
タスクに登録されたプロパティを表示するためには、ガントチャートを表示している画面で「・・・」をクリックし、ビューのオプションを表示します。
このオプションに含まれる「プロパティ」をクリックすると、タスクに設定できるプロパティの一覧が表示されます。初期の状態では「タイムラインで非表示」に分類されているため、表示したいものを「タイムラインで表示」に移動させてみましょう。例えば以下のとおり移動させます。
ステータスの例をタイムラインで表示に移動させました。そうするとタイムラインに先程設定したステータスが表示されるようになっています。
今回、例として作成しているタスクはどちらも「Not started」に分類されているため、そのとおりにガントチャートが表示されています。Notionはタスクにいくつものプロパティを設定できるため、ここで適切なものを設定するとガントチャート上で一目瞭然です。
ただ、ガントチャートは直感的に把握しやすくすることが重要であるため、大量のプロパティを表示させることはおすすめできません。最低限、必要な情報だけをガントチャートに表示する方法を採用し、細かな内容についてはタスクをクリックして確認する運用がおすすめです。
必要に応じてタスクの内容変更
NotionのTimelineビューを利用したガントチャートの作り方は上記ですべてです。プロパティを使いこなしてガントチャートに登録されているタスクを管理しやすくしましょう。また、ガントチャートに表示される内容をオプションで変更し、直感的に把握することも重要です。
ただ、タスクは登録して終了ではなく、プロジェクト管理においては日々更新することが求められます。プロパティを駆使して状況を把握し、日々のプロジェクト管理に役立ててください。
また、後から追加したプロパティは過去に作成したタスクには反映されない可能性があります。また、自動的にデフォルト値が設定されるかもしれません。例えば、上記の例で解説した「ステータスの例」は自動的に「Not started」が設定される仕組みです。設定によってはプロジェクト管理に混乱をきたす可能性があるため、そこに注意して、こまめに内容変更することをおすすめします。
Notionで試したい3つの活用方法
NotionのTimelineビューでガントチャートを作るならば、Notionの機能を全面的に活用することが重要です。続いては、皆さんに試してもらいたい活用方法を解説します。
ガントチャートを共有する
Notionで作成したガントチャートは共有できるようになっています。自分だけでタスクを管理することもあるとは思いますが、プロジェクト管理として共有することが大半でしょう。
ガントチャートを共有する際は画面上部の「共有」をクリックします。以下のとおり共有の設定画面が表示されるはずです。
標準では共有のオプションがオフになっているため、誰にも共有されず自分だけで閲覧できるようになっています。これを全体的に公開して共有したいならば「Webで公開」にチェックを入れます。
共有に関するオプションが表示されるため、必要に応じて設定しましょう。主に以下の観点から設定します。
- いつまでガントチャートを共有するか
- ガントチャートの編集を許可するか
- ガントチャートへのコメントを許可するか
一方的に情報を共有したい場合と、ガントチャートを編集してもらう双方向を前提とした共有があるでしょう。これを考慮して適切に設定しなければ、「自分が作成したガントチャートを破壊されてしまった」との状況になりかねません。編集してほしくないならば、編集権限は与えないようにしましょう。
ただ、このようにリンクを知っている人が全員アクセスできる状態にすると、意図しない人がアクセスしてくるリスクがあります。そのため、基本的には上記の方法で共有するのではなく、共有する対象を指定する方法で共有します。
共有する対象を指定する場合は、以下のとおり「メールかユーザーを追加」から追加する対象を指定します。同じグループなどに所属している人がいればここにユーザーとして表示されますが、この例では個人であるため表示されていません。そのため、共有する対象をメールアドレスで指定します。
今回は「test@test.com」というメールアドレスに対して共有する設定としました。設定後、該当のメールアドレス宛にガントチャートが共有された旨のメールが届くため、そのメールに記載されているリンクからガントチャートにアクセスします。ログインが必要となるため、特定のユーザのみがガントチャートにアクセスできる仕組みです。
なお、メールアドレスなどを指定して共有する場合でも、権限は考慮しなければなりません。共有する相手ごとに権限を設定できるため、適切に付与しましょう。標準ではフルアクセス権限となっているため、ガントチャートについて、すべての操作ができるようになっています。
また、最初に説明した共有方法との違いは「個別に権限を設定できる」という点です。特定の人にのみ編集権限を与えて、それ以外の人は読み取り権限のみを与えることができます。また、コメントも許可する権限があるため、必要に応じてこちらの権限も利用すると良いでしょう。
ガントチャートの共有に関する注意点
上記で説明したとおりガントチャートは共有できますが、ガントチャートの共有はプランによる制限があります。ガントチャートに限らないですが、共有できる「ゲストコラボレーター」は以下のとおりです。
- フリー:10アカウント
- プラス:100アカウント
- ビジネス:250アカウント
- エンタープライズ:カスタム
個人で利用しているなど、Notionの無料プランを利用している人は共有できるアカウント数が限られてしまいます。小規模なプロジェクト管理であれば差し支えないかもしれませんが、中規模以上のプロジェクト管理は難しいでしょう。そのため、必要に応じて個人でも有料プランへのアップグレードが必要です。
ビジネスプランやエンタープライズプランを利用している場合は、多くの人とガントチャートを共有できます。ビジネスプランでも250アカウントと共有できるようになっているため、大半のプロジェクトで差し支えないでしょう。どうしても250アカウントで不足するような状況になるならば、個別にNotionへ相談することになってしまいます。
なお、Notionで作成したガントチャートを共有したいならば、ガントチャートをエクスポートしてダウンロードする選択肢もあります。画面、右上のオプションからエクスポートできるため、ここからダウンロードしましょう。
ただ、ここでダウンロードしたファイルは「ダウンロードした時点での情報」です。そこから変更した内容は反映されないため、変更があるたびにエクスポートやダウンロードをして、関係者に展開する必要があります。一時的な手段にはなるかもしれませんが、恒久的な使い方は難しいでしょう。
また、エクスポートしたものはNotionのTimelineビューのようにガントチャートでは表示されません。タスクの一覧と設定されている日時などがリスト形式で表示されるだけです。ガントチャートとは大きく異なったものになってしまうため、そのような観点でも利便性が高いものではありません。
関数を活用する
Notionは全体的に関数を利用できる環境が整っています。少々、プログラミングのような知識が必要とはなりますが、これを活用することでガントチャートを効率よく利用可能です。手作業の部分を関数に変更することで、プロジェクト管理やガントチャートの修正作業を短縮できるでしょう。
Notionがどのような関数に対応しているかはNotionのヘルプセンターを参照することをおすすめします。非常に多くの機能を実装できるようになるため「ガントチャートに独自の機能を追加したい」「Timelineビューはかゆいところに手が届かない」などの状況に陥っている人は試してみましょう。
なお、関数の活用については、難解であることからNotionチームがサポートを表明しています。関数についての説明を読んでも実装が難しいならば、サポートを活用することも検討すべきです。
日付の書式などを見直す
Notionを日本語環境で利用していると、基本的にはすべてが日本の一般的な書式で表示されます。例えば、日付は「年月日」と漢字を使った表示となるはずです。
ただ、プロジェクトによってはこのような表示が望ましくないこともあるでしょう。特にグローバルプロジェクトを管理するならば、日本語や漢字の表記は避ける必要があります。このときは適切な表記に変更しましょう。
日付の書式を変更したい場合は、タスクに設定されている日付のプロパティをクリックします。
「プロパティを編集」をクリックするとそれぞれのプロパティに対するオプションが表示されます。今回は日付に関するプロパティであるため、以下のとおり日付の書式などを選択可能です。標準では「完全な日付」が選択されているため、それ以外の形式を選択することで表示形式が変更されます。
日付以外についてもオプションの変更が可能なものがあるため、プロパティ管理に都合が良い設定値に変更することをおすすめします。
まとめ
NotionにはTimelineビューと呼ばれるガントチャートを作成する機能があります。ガントチャートという名称ではないため認識されていないこともありますが、Notionでもガントチャートは作成可能です。他の機能と組み合わせることで、より効率よくプロジェクト管理ができるようになるでしょう。
また、Timelineビューを利用したガントチャートの作り方は難しいものではなく、説明したとおり5つのステップです。タスクの洗い出しや登録にこそ時間を要しますが、ガントチャートの基本を作成するだけならば10分程度で終了すると考えて良いでしょう。
なお、Timelineビューで登録したタスクはデータソースとしてデータベースに登録されます。また、データベースに登録されていて期日などが設定されているものはTimelineビューでガントチャート形式で表示可能です。既存のデータを活用して、効率よくガントチャートを作ったりプロジェクトを管理したりしましょう。