【比較】モール型ECサイト(Amazon・楽天・Yahoo)と自社ECサイト(BASE・STORES・Shopifyなど)の違いとは?何をを選ぶべき?
あなたはモール型ECと自社ECの違いを知っていますか?
ネットショップをモール型ECにするのか自社ECにするのかを決めることは、運営をする上で非常に重要な分岐点といえます。
本記事では、ネットショップをどのような形で運営していくのか迷っている方のために、モール型ECと自社ECの違いについて解説していきます。
本記事を読めば、どちらのメリット・デメリットも理解できるので、自分のショップに合った方法でECサイトを構築できるでしょう。
ぜひ最後までお読みくださいね。
目次
モール型ECとは
モール型ECとは、複数のショップを集めて構成されたインターネット上のショッピングモールです。
モールに出店すると、商品ページのアドレスがamazon.comやrakuten.comというように、モール独自のドメインになります。
日本のモール型ECでは、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどが有名です。
それぞれの特徴や違いを簡単にまとめました。
Amazon
「Amazon」はアマゾンジャパン株式会社が運営するモール型ECです。
商品単位で出品することが可能なので、気軽に出店することができます。
現在、月間利用者数は楽天市場を抜いて日本最大となっており、業界トップクラスの集客力があります。(参考:「アマゾン」、「メルカリ」、「ラクマ」の利用者数は昨年同月比で2桁成長 ~ニールセン ECサービスの利用状況を発表~より)
楽天市場
「楽天市場」は楽天株式会社が運営するテナント型のモール型ECです。
日本におけるモール型ECとしては草分け的な存在で、月間利用者数はAmazonに次いで2番目となっています。
手厚いサポートが整っている反面他社より出店料が高いので、ある程度販売実績を積んだ企業に好まれる傾向にあります。
また、国内に1億人いるといわれる楽天会員を集客できるのは大きな強みといえるでしょう。
Yahoo!ショッピング
「Yahoo!ショッピング」はヤフー株式会社が運営するモール型ECです。
出店料と月額利用料が無料のため、圧倒的な出店店舗数を誇っており、金銭的なコストを抑えたい企業から支持を得ています。
Yahoo!JAPANのサービスと連携して集客できるのもメリットです。
近年は「PayPay」との連携も強まっているので、PayPayユーザーの集客にも向いています。
自社ECとは
自社ECとは、モール型ECとは違い独自ドメインを得て、個人で運営するECサイトのことです。
10年以上前は、ネットショップ1つ作るのに高い技術や資金力が必要だったので自社ECを構築するのはとても大変でした。
しかし2020年の現在では、中規模や大規模の企業を対象したカスタマイズ可能なパッケージCMSや、月額数千円から利用できる初心者向けのECサービス増え、誰もが気軽にECサイトを構築できるようになったのです。
構築方法の代表的なものに「オープンソース」・「パッケージ」・「ASP」・「フルスクラッチ」があります。
それぞれの特徴や違いを見ていきましょう。
オープンソース
「オープンソース」とは、インターネット上に無料で公開されているソフトウェアを利用する方法のことをいいます。
ECサイトの構築やセキュリティ対策などは自社で行う必要がありますが、自社にWeb制作の技術力があれば比較的安くECサイトを構築することが可能です。
オープンソースの中では、特に「EC-CUBE」がおすすめです。
EC-CUBEは国産のCMSで信頼性もありますし、EC-CUBEを利用して構築したショップが全国に35,000店舗以上と非常に多くあることも安心できる要素の1つです。
EC-CUBEは、ECサイト用のオープンソースなので様々な機能が揃っています。
なので、特にカスタマイズしなくてもシンプルなネットショップを構築することができるのです。
ただ、オープンソースでECサイトを構築するとなると、ある程度WEB制作に詳しい人材が必要となるでしょう。
なぜなら、最初の構築は簡単でも運営に必要なセキュリティ対策やサーバーへの理解が素人には難しいからです。
自社にWeb制作に詳しい技術者がいない場合は、費用は発生しますがWeb制作会社に依頼した方が賢明といえます。
パッケージ
「パッケージ」とは、ECサイト構築のベースとなるソフトウェアを販売会社から購入する方法です。
既存のソフトウェアを利用してECサイトを構築するので、0からサイトを構築するフルスクラッチほど金銭的なコストをかけずにECサイトの構築をすることができます。
とはいえ、オープンソースや後に紹介するASPに比べるとかなり高額です。
ただ、バッケージはサイトの構築だけではなく、ECサイト運営に関しても手厚いサポートが受けられる傾向にあるので、資金に余裕があるけれど自分でサイト運営していく自信のない方には良いかもしれません。
おすすめのパッケージには、「カゴラボ」と「HIT-MALL」を挙げておきます。
パッケージ1:カゴラボ
「カゴラボ」は1,000件以上のECサイト構築実績があるサービスで、クラウドサーバー上で稼働します。
そのため、自社でサーバーを用意する必要がありませんし、サイトを自社で更新する手間もかかりません。
また、ショップの電話サポートを代行してもらえる上、WEBマーケティングに関するサポートまで受けることができます。
「クラウドサーバーで運用できて、なおかつWEBマーケティングまでサポートしてほしい」という方におすすめです。
バッケージ2:HIT-MALL
「HIT-MALL」は「すかいらーくグループ」や「京阪百貨店」などの有名企業での導入実績があるパッケージです。
・低価格のクラウドプラン
・自由にカスタマイズできるパッケージプラン
の2種類を選択でき、クラウドからパッケージへの乗り換えもスムーズです。
HIT-MALLには専任のサポートチームが存在し、Webマーケティングやサーバーの運用、商品発送の手続きなどEC運営に必要な様々な作業を代行してくれるのも大きなメリットです。
「WEBの詳しいことはわからないので、とにかく全面的に手厚くサポートしてほしい」という方におすすめですよ。
ASP
「ASP」はECサービスの中でも最も手軽にECサイトを構築できます。
ECサイトを低価格で構築できることはもちろん、プロバイダー側がシステムの更新を行うため、自社でアップデートする必要もありません。
ひと昔前までは、カスタマイズの自由度が低いと言われていたASPですが、最近ではカスタマイズの自由度も大幅に向上しており、豊富なテンプレートを使って簡単にサイトをデザインすることができます。
中でも「BASE」・「STORES」・「Shopify」は特におすすめです。
ASP1:BASE
「BASE」は導入店舗が100万を超えているASPサービスです。
初期費用や月額費用などは一切発生しません。
費用が発生するのは、デザインテンプレートとプラグインを導入したときぐらいです。
「ECビジネスをできるだけ低コストで始めたい」という方におすすめのサービスです。
ASP2:STORES
「STORES」も「BASE」と同様非常に多くのショップが導入しているASPサービスです。
シンプルで直感的に操作でき、サイト構築作業初心者にも扱いやすいASPとなっています。
また、商品の登録数が無制限なので、扱う商品数を気にする必要もありません。
支払いに関しては、
・クレジットカード
・コンビニ決済
・キャリア決済
など様々な決済手段を実装できるのも嬉しいポイントです。
有料プラン・無料プラン両方あるので、まずはお試しに無料プランを試してみてはどうでしょうか?(ただし決済手数料はどちらも発生するので注意してください)
ASP3:Shopify
「Shopify」は低価格帯のASPでありながら、拡張機能のアプリを利用できることが特徴です。
アプリは無料のものから有料のものまで3000種類を超えており、カスタマイズ性は非常に高いといえるでしょう。
Shopifyには、様々な決済方法やサイトの分析機能など、ショップの運営に欠かせない機能も充実しています。
また、Shopifyで構築されたECサイトの多くが越境EC(海外進出)に成功しています。
デフォルトの段階でも様々な言語や通貨に対応しているので、他社のECサービスと比較してもスムーズに海外向けのショップを開設することが可能です。
フルスクラッチ
「フルスクラッチ」とは、簡単にいうとゼロからECサイトを構築する方法です。
既存のECサービスを使用しないので膨大な時間と金銭的なコストがかかりますが、デザインから設計まで何の制限もなく自社に必要な機能やシステムを構築することができます。
モール型ECのメリット
では、次からはモール型ECのメリットを紹介していきます。
モール型ECのメリットは以下の3つです。
メリット1:集客力が高い
1つ目のメリットは「集客力が高い点」です。
モール型ECの最大のメリットともいえるのが、集客力です。
Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのモール型ECには数千万人単位で月間利用者が存在します。
すでに人が集まっている場所でショップを開設できるので、自社ECサイトで立ち上げるよりも集客にかける労力は大幅に減らすことができるでしょう。
メリット2:認知度が低くても信頼されやすい
2つ目のメリットは「認知度が低くてもある程度顧客から信頼されやすい点」です。
近年のネットに対するセキュリティ意識の高まりから、聞いたことも見たこともないショップに個人情報を晒したり商品を注文したりすることに抵抗がある方が増えています。
しかしモール型ECなら、ショップ自体の知名度が低くても「Amazon」や「楽天」といった看板がある程度お客さんを安心させてくれるでしょう。
メリット3:WEB初心者でも簡単に始められる
3つ目のメリットは「WEB初心者でも簡単に始められる点」です。
モール型ECでは、既存のサービスを活用できるので、独自ドメインを取得したりECサイトのデザインを1から考えたりする手間が省けます。
ドメインやデザインの設定は意外と手間がかかるので、モール型ECは時間コストの削減に大いに役立つでしょう。
また、モール型ECにもアクセス解析機能が付いている場合があるので、専門知識がなくてもECサイトを分析しながら売り上げを伸ばすことも可能です。(Amazonと楽天には独自の分析ツールが存在します)
モール型ECのデメリット
一方、万能なイメージのモール型ECにもデメリットは存在します。
モール型ECのデメリットは以下の4つです。
デメリット1:出店料や手数料が発生する
1つ目のデメリットは「出店料や手数料が発生する点」です。
一般的にモール型ECは、規模が大きくなればなるほど費用が高額になる傾向があります。
出店料や運営コスト、広告料、手数料など、様々な費用が発生することを覚えておいてください。
デメリット2:商品によっては価格競争が激しい
2つ目のデメリットは「商品によっては価格競争が激しい点」です。
同業他社が似たような商品を販売しているモール型ECは、ショップ同士の値下げ合戦が起きやすくなります。
ライバルが多ければおおいほど価格競争は激化するので、利益率が低下する可能性が高いです。
デメリット3:ショップのブランディングが難しい
3つ目のデメリットは「ショップのブランディングが難しい点」です。
モール型ECで買い物をした顧客は、自社のショップで買ったというより「Amazonで買った」「楽天で買った」という認識になりやすいです。
ショップとしての認知度をあげるには、既存のプラットフォーム内でのショップページの見せ方を工夫する必要があるでしょう。
デメリット4:顧客情報が扱えない
4つ目のデメリットは「顧客情報が扱えない点」です。
モール型ECでは顧客情報はあくまでモール側に所有権があるため、各ショップが顧客リストを扱うことは基本的にできません。
顧客情報を基にマーケティングを行いたい場合は、モール型ECはあまり適してないといえるでしょう
自社ECのメリット
次からは、自社ECのメリットについて解説していきます。
自社ECのメリットは以下の3つです。
メリット1:比較的利益率が高い
1つ目のメリットは「比較的利益率が高い点」です。
自社でECサイトを運営するのなら、出店料や売り上げに対する手数料などのコストは発生しません。
ASPなら基本的には初期費用と一定の月額費用だけで運営できますし、オープンソースなら無料でショップを立ち上げることもできます。(サーバー代・ドメイン代はかかります)
また、モール型ECのように値下げ合戦に巻き込まれる可能性も低いので、モール型ECよりも利益率は高くなる可能性が高いです。
メリット2:ショップのブランディングがしやすい
2つ目のメリットは「ショップのブランディングがしやすい点」です。
自社ECでは、サイトにおけるデザインの自由度が高いので、商品ページや注文画面などを自社のテイストに沿って構築することができます。
よって、モール型ECでは認知されにくいショップの名前やブランドイメージをアピールしやすいです。
メリット3:リピート客を作りやすい
3つ目のメリットは「リピート客を作りやすい点」です。
モール型ECではモール側が顧客情報を管理していますが、自社ECでは顧客情報は店舗の所有物です。
なので、自社ECではサイトを細かく分析しながらショップ内のコンテンツを改善していき、過去に購入してくれたお客様一人ひとりの購買意欲に訴えかける活動をしてください。
そうすれば、リピート客や優良顧客を増やして利益を生み出す仕組みを作り出せるでしょう。
自社ECのデメリット
自社ECにも、もちろんデメリットは存在します。
自社ECのデメリットは以下の3つです。
デメリット1:自力で集客する必要がある
1つ目のデメリットは「自力で集客する必要がある点」です。
自社ECでは、ECサイトを構築しただけで売り上げが上がることはまずありえないといってよいでしょう。
ECサイトを立ち上げた直後からSEO対策やマーケティングをしっかり行う一方で、必要に応じてインターネット広告を活用するなど、時間をかけて集客に取り組んて行く必要があります。
デメリット2:成果が出るまでに時間を要する
2つ目のデメリットは「成果が出るまでに時間を要する点」です。
自社ECでは、「比較的利益率が高い」「ショップのブランディングがしやすい」「リピート客を作りやすい」などのメリットを挙げましたが、以上のような効果はすぐに現れるわけではありません。
メリットの恩恵を受けるには、自社のショップを分析し課題を見つけて改善していくことが大前提です。
日頃からショップの課題を意識しながら、サイト運営に取り組むことが重要となるでしょう。
デメリット3:ECサイトの運営を主体的に行う必要がある
3つ目のデメリットは「ECサイトの運営を主体的に行う必要がある点」です。
自社でECサイトを運営するなら、集客を様々な方法で主体的に行う必要があります。
ショップをどのように成長させたいか、リピーターを増やすにはどうしたらいいかなど、長期的なビジョンを持ってショップを運営していかなければ自社ECでは成功することは厳しいでしょう。
モール型ECと自社EC、結局どちらがいいのか
結論から言いますと、どちらが良いとは一概には言えないです。
というのも、商品自体の認知度によっても自社ECとモール型ECのどちらが良いのかが変わってくるからです。
売り出す商品の認知度が低い場合、ダイレクトに自社商品を探して辿り着いてくれる顧客はあまりいないでしょう。
そんな商品を扱う場合は、集客力のあるモール型ECの方が合っているといえます。
すでに世間にある程度認知されているようであれば、顧客が自ら当商品をさがしてくれる可能性が高くなるので、利便性を重視して自社ECでショップを開設してみるのもいいかもしれません。
モール型ECと自社ECを同時に運営するのもあり
実際、モール型ECと自社ECを同時に運営する企業も少なくありません。
モール型ECと自社ECの両方を運営すれば金銭的なコストは増加しますが、その分集客力を強化することができます。
そもそもモール型ECと自社ECでは、集客の仕組みが異なるのです。
モール型ECでは誰かが商品を購入することで、多くの人々が閲覧する売り上げランキングやおすすめ商品に掲載されるので、新規の顧客を獲得するのに適しています。
自社ECは、モール型ECでは扱えない顧客情報を基にDMやメルマガをおくることで商品の露出を増やせるため、リピート客や優良顧客の育成に適しているのです。
2つのECを同時に運営するには、企業としての基礎体力が必要ですが、モール型ECと自社ECそれぞれにいろんな種類のサービスがあるので、選び方によってはある程度運営コストを抑えることができます。
また、どちらかのECサイトにトラブルが起きた際のリスクヘッジとしても、両方同時に運営するという選択肢を検討してもいいのかもしれませんね。
加えて、2020年4月7日からShopifyは楽天市場との販売チャネルの連携を開始しました。
具体的にはShopifyを利用している企業が、楽天市場も利用することで、楽天市場における商品登録・在庫管理・受注管理などの店舗運営業務をShopifyの管理画面から簡単にできるようになったのです。(楽天への出店費用は発生しますので注意してください)
したがって、これまで以上にモール型ECと自社ECの同時運営が簡単になりました。
ぜひこの機会にモール型ECと自社ECの同時利用を検討してみてくださいね。
まとめ
本記事では、モール型ECと自社ECの違いについて解説してきました。
では、本記事を簡単にまとめていきます。
複数のショップを集めて構成されたインターネット上のショッピングモールのこと
例)Amazon・楽天・Yahoo!ショッピング
①最初からある程度集客力が高い
②認知度が低くてもある程度顧客から信用されやすい
③WEB初心者でも簡単に始められる
①出店料や手数料など何かと料金が発生する
②商品によっては価格競争が激しい
③ショップのブランディングが難しい
④顧客情報が扱えない
独自ドメインでを得て、個人で運営するECサイトのこと
例)オープンソース・パッケージ・ASPなど
①比較的利益率が高い
②ショップのブランディングがしやすい
③リピート客を作りやすい
①自力で集客する必要がある
②成果が出るまでに時間を要する
③ECサイトの運営を主体的に行う必要がある
モール型ECと自社ECとでは、そもそも集客の仕組みが違いますし、どんな商品を売るのかによってもどちらがいいのかが変わってきます。
まずはそれぞれのメリット・デメリットを比べてみて、自分の運営するショップに合っている方法でECサイトを運営してみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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